「それでは、解答場面を出して、頭の中で解答順に石を置き、その後、問題場面を出して頭の中で解答順に石を置くのは、『2度読み』ではなく、『1度読み』ということになるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。」

「それでは、『2度読み』とは、問題場面を出して、2回、頭の中で解答順に石を置くことなのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。解答を一度も見ないで、問題場面を出して、2回、頭の中で解答順に石を置くのも『2度読み』になります。」

「なるほど。それでは、『2手読み』というのは、どういうことなのですか」と町会長。

「『2度読み』をして石を置く直前に、自分が置く石の位置とコンピューターが置く石の位置を頭の中で置くのを『2手読み』と言っています。」

「そこまでしないと、100問連続で詰碁を正解することができないのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。僕が高段者レベルの詰碁をするときには、『2手読み』を2回繰り返す『東大系方式』という方法を取っています。」

「なぜ、『東大系方式』というのですか」と町会長。

「最初に全手数を2回読み、実際に石を打つときにも再確認のため、次に打つ2手を2回読みます。そして、どんなにやさしい問題でも必ず基本通りにします。」

「もしかして、東大系は、これと似たような頭の使い方を日常生活でしているのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。東大系は、日常生活でも、卓球をするときでも、東大を受験するときでも、必ず、ダブルチェックをしながら基本通りにするのです。」

「なるほど」と町会長。

「詰碁は、そこまでしないと100問連続正解ができないのですか」と町会長。

「僕の場合、有段問題までは、普通に打って、100問連続正解ができました。」

「高段者問題になったら、突然、ミスをするようになったのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。人間には許されない禁断の領域だからです。」

「と言いますと?」と町会長。

「脳細胞が毎日10万個減り続けなければ、不老不死になってしまう可能性があります。」

「と言いますと?」と町会長。

「僕が高段者レベルの詰碁を100問連続で、毎日2回解くと、体力が上がり続け、年を取りません。人間が受けた進化は、こういうことを許そうとしないのです。」

「と言いますと?」と町会長。

2021/12/30

<水道後記95>
水漏れ箇所の修復には5分もかからなかった。元栓を締めて水栓の複合継ぎ手を取り外すと、2本のポリエチレン管にTBCの八角ボルトと打ち込んだインコアが残った。そこに、最初使う予定だったTBCの継ぎ手の八角ボルトを取り除いて、ポリエチレン管に残った八角ボルトでネジ接続するだけで接続は終わった。

しかし、元栓を開いて通水し、水道メーターを見たが、水漏れは止まっていなかった。内径20mmの塩ビ管と繋がる複合継ぎ手の水栓を締めると、水道メーターはピッタリと止まった。内径20mmの塩ビ管の先にあるのは、母屋の北側の土台に沿って配管されている塩ビ管だ。母屋の北側のどこかで水漏れしているのだ。

『水漏れ箇所を見つけて修復すると、残った水漏れを起こす可能性がある箇所の中で1番弱い所が水漏れを起こすようになる』という筆者の水漏れ仮説は、極めて残念ながら正しかったのだ。<続く>

2024/12/16